故郷を顧みる。
義父と一緒に故郷・群馬を訪れた。
雪こそ少なかったが、
冬がすべてを支配していた。
帰郷の目的は、入院中の母の見舞
かねて、今年一年本当に大変だった義父の慰労だった。
いつもの道を、普段よりゆっくりと走った。
見慣れた風景が、とても新鮮に見えた。
新たな試みと、
朽ちていく過去が錯綜する故郷を目の当たりにして、
「人」の思いのうつろいを咀嚼しようとした。
すでに他県へ居をかまえる私は、
どことなく、他人事のように
それでいて、すべてを知りつくしたように
20年近くも過ごした故郷を無責任に見ながら
これからの故郷との関係を思った。
今日から兄姉も帰省する。
「故郷」とは土地の呼び名ではなく、
人が待つ場所なのだと思った。